老後の資産運用をどのように進めるべきか考えておられますか?
「65歳から年金をもらって…あとはその時考えよう」と思われているなら準備不足かもしれませんね。
厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によると、日本人の平均余命は、男性が65歳で19.52年、75歳で12.13年、女性は65歳で24.38年、75歳で15.74年です。
適当な計画で老後に突入しては、生活破綻は避けられないでしょう。
そこで今回は、そんな事態を回避するために厚生労働省が推奨する老後プラン『WPP理論』を紹介します。
場合によっては老後の生活破綻を完全に回避できますので、ぜひ参考にしてください。
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65歳で年金を受け取るのが常識じゃない!
平均寿命まで生きられるお金を貯めただけでは足りない、では何歳まで・・・
こんな悩みを解決するのが公的年金の繰り下げ受給です。
繰り下げ受給で受給率アップ
65歳時点で受け取る年金額を100とした場合、最長75歳まで受給を遅らせれば184の年金を受け取ることができます。
ひょっとして今「いやいや、仕事を引退したのに年金なしで、どうやって生活するんだよ」と思われましたか。
そこで登場するのが冒頭で少し話したWPP理論です。
WPP理論で長生きリスクを回避
厚生労働省も推奨しているWPP理論の流れを簡単に説明すると以下の通りです。
※WPPはWork longer(就労延長)・Private Pension(私的年金)・Public Pension(公的年金)
- 65歳以降も労働と貯めたお金で生活
- 繰り下げた年金が老後の生活費を上回る
- 一生涯、生活費以上の年金が手に入る
WPP理論の各項目をもう少し解説しましょう。
❶:働けるうちは働く
なにもフルタイムで働く必要は有りません。
心と体の負担にならない程度の労働を続けるのが前提です。
ただセーブした労働収入だけでは生活できないので、次のPrivate Pension(私的年金)の出番です。
❷:貯めてきた資産だけで生活する
私的年金は貯蓄や投資信託、企業年金など公的年金以外の老後資金ですね。
労働をセーブすることで足りなくなる生活費を私的年金を使って補います。
では、この生活をいつまで続けるか。
それは年金の受給額が生活費を上回るまでです。
❸:繰り下げた年金で生活費を確保
公的年金だけで老後の生活費を確保できるのなら、老後の資金の心配はなくなります。
年金は自分が亡くなるまで終身で貰えるのですから、何歳まで生きても安心ですね。
『特別支給の老齢厚生年金』の受給忘れに注意
ここで少し注意事項を。
65歳が基準の厚生年金とは別に『特別支給の老齢厚生年金』という制度がありますが、こちらは繰り下げ受給できません。
対象者の方は受給開始年齢になった後、必ず受給の申請をしてください。
忘れていて申請せずに5年を超えた分は貰えなくなってしまいます。
ではWPP理論の一例を見てみましょう。
WPP理論の一例
上の画像では65歳時点で生活費300万円に対し受給できる年金は240万円(月20万円)で、手持ちの貯蓄額を1000万円としています。
65歳から年金を受け取ってしまうと、不足する60万円を一生補填しながら生活しなくてはいけません。
しかし、3年間だけ年金受給を遅らせれば、生活費を年金だけでカバーできるので、何歳まで生きても生活費が足りなくなることはありません。
もちろん労働が負担でないのなら、社会とのつながりや健康のために、もう少し労働を続けてもいいでしょう。
国民年金なら運用をしながら取り崩しを
国民年金を想定した一例も載せておきます。
国民年金は満額で月額68,000円(令和6年度)ですから、年間81万6,000円です。
これを75歳まで繰り下げれば+84%で約150万円
そこでこんな想定で資産額をグラフにしました。
- 30年掛けて2,500万円を貯めてきた
- 生活費は年300万円
- 年利5%が期待できる資産で保有
- 65歳~75歳:取り崩し額年100万円(労働をセーブ)
- 75歳以降:取り崩し額年150万円
厚生年金のように繰り下げて生活費を年金だけで賄うことはできませんので、資産の取り崩しと合わせた老後プランが現実的でしょう。
65歳時点で2,500万円の資産、年利回り5%期待とそこそこな利回りで計算して、ご長寿の日本記録くらいまで資産が残っていますね。
年4%利回りだと…
なお、老後にバランス型ファンドに乗り変えた場合を想定して年4%運用でも見てみましょう。
これでも100歳で700万円近い資産が残っていますね。
老後の生活費は少しずつ減る
老後の生活費は60歳時点より少しずつ少なくなっていく統計があります。
そりゃ「焼肉パーティーよりアジのひらき」の生活になるのですから当然ですね😅
さほど心配はいらないでしょう。
老後生活のために本を一冊読みましょう。
このようにWPP理論は長生きリスクを回避するのに有効な戦略なのですが、いろいろと不確定要素があるのが老後生活。
しかし、足りないと嘆いていてもお金は増えません!
老後資金が足りないと分かったのなら今から行動に移しましょう。
家計を見直して無駄な支出を減らす。副業を始める。家賃の安い家に引っ越すなどなど、やれることはいくらでもあります。
ただ、方向性が定まっていなくては何をやっても迷走してしまいますので、安定した老後を迎えるため、先にWPP理論の関連書籍を一冊読まれることをおすすめします。
WPP理論を提案された谷内陽一さんが執筆された書籍です↓↓↓
年金の繰下げ受給で老後生活の安定を
何歳まで生きるか誰にも分からないですから、老後資金の運用は非常に難しいです。
しかし、公的年金の受給を繰り下げることで増えた年金で生活費を賄うことができれば、何歳まで長生きしても安心です。
老後の生活には不確定要素が多く含まれています。
不明瞭なままで悩むよりも、今から具体的な行動を起こして計画的に資産を管理することが、将来的な安心へとつながるでしょう。
今回の記事が、その第一歩となれば幸いです。
老後資金の運用方法は別記事で解説しています。↓↓↓
www.katsurao.info
まさか『年金を繰上げ受給してお小遣いに使おう』なんて思ってませんよね😱
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最初の一歩はWPP理論の書籍から!