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書評:話題の投資本『ほったらかし投資FIRE』を徹底批判!QYLDはおすすめしません。

おすすめできない書籍『ほったらかし投資FIRE』の書評。QYLDでFIREできるはずがない!

サムネイル『ほったらかし投資FIRE』

『嫌な仕事から解放されての、悠々自適な生活』、通称FIREが話題になる事が増えてきました。

しかし、賢明な皆さんならば、そんなこと簡単に出来ない事は重々承知のことでしょう。

とはいえ、心のどこかで「実は裏技が・・・」と考えてしまいますよね。

だって、人間なんですから(笑)

そんな人間の弱さに付け込んでくる書籍が『ほったらかし投資FIRE』なんです。

この本を要約すると、

  1. 米国ETF『QYLD』に投資する。
  2. 分配金をQYLDに再投資する
  3. FIREする。

という内容です。

先に結論を書くと「QYLDではFIREできません!

正確には、QYLDなんかよりインデックスつみたて投資でFIREを目指す方が、

まだ可能性が高いんですよ。

この記事を読んでいただければ、この書籍を参考にしてFIREを目指す事が、

いかに馬鹿馬鹿しく無謀であるかが分かって頂けます。

あなたが本気でFIREを目指されているなら、ぜひ最後までお付き合いください。

娯楽として読むならアリ、書店ではファンタジー小説の棚に置いてもらいたい↓↓↓

この記事はこんな方に読んで頂きたい。

  • 書籍『ほったらかし投資FIRE』を真似しようと思っている。
  • 既に多額のQYLDを保有してしまっている。

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QYLDは『ほったらかし』で保有できるETFじゃない。

先に「そもそもQYLDって何?」と言う方の為に簡単に説明しましょう。

QYLDとは

  • 米国のETFです。(投資信託みたいな物)
  • 分配金の年利回り約12%が特徴。
  • NASDAQを利用した複雑な投資手法で利益を目指します。
    注:NASDAQに組み込まれている企業の株式に投資するのではありません!

QYLDは仕組み上、少しずつ基準価格(元本)が下落していくETFなので、それに合わせて貰える分配金も減っていきます。

高利回りの分配金を貰っても、割に合わない投資先なんです。

QYLDの元本が減れば分配金も減る

QYLDの元本が減れば、同じ利回りでも分配金が減ります。

QYLDの仕組みについて詳しく解説すると長くなるので、とりあえず

「分配金の利回りは高いけど、元本と分配金が減っていく投資信託」と考えて頂ければOKです!

QYLDが少しずつ下落する仕組みは、別記事で解説していますので、気になる方は、そちらも参考にして下さい。↓

【QYLDは下落する!】小さなリスクで年利10%の高配当は不可能です!

書評:『ほったらかし投資FIRE』

それでは、『ほったらかし投資FIRE』の内容に移りましょう。

導入は「FIREに興味は有っても、投資の勉強をする時間は無いですよね」といった書き出しから始まりました。
その後、「米国株の高配当再投資なら、毎月3分チェックするだけ」と書いてあるのでで、

簡単に誰でもできそうな気にさせてくれます。(笑)

続いて、本文に入ると、FIREがどれだけ素晴らしいかを熱く語ってくれますが、

まあFIREに興味がある人には、想像が付くでしょうから、

読み飛ばしてもイイでしょうね。

米国の高配当企業は素晴らしい!

さて、肝心のFIREする為の情報については62ページから。

まずは高配当を出す米国企業が、どれだけ素晴らしい投資先かという解説が続きます。

  • 英語でビジネスをしている。
  • 米ドルは世界の基軸通貨
  • 配当金は株価が下がっても支払われる。
  • 連続して配当金を増やしている企業は特に安心。

結果、「米国の高配当株に投資して、FIREしましょう」という流れですね。

この辺りの米国企業の解説は、読み易くまとめられていましたので、

投資初心者さんでも、すらすらと読み進めることが出来るでしょう。

FIREとは資産から毎月20万円の収入をえること

次に、この書籍のFIREの定義を示してくれます。

ただ単に「こうすれば儲かりますよ」ではなく、明確に基準を設けてくれるのは、有難いですね。

FIREの定義は安定して月20万円のインカムゲインを得られる事でした。

東京のど真ん中で生活するには厳しいでしょうが、FIREすれば好きな地域を居住地に選べるので、現実的な額だと思います。

この後、QYLDという年利10%を超える米国ETFを紹介し、QYLDをつみたて投資すればFIREできますという内容なのですが・・・

ライン風の画像

『ほったらかし投資FIRE』は勘違いするように書いている?

次に、私の感想を含めた、書籍の内容に入っていきましょう。

なお、この書籍を手に取る前から「QYLDでFIREを勧める、恐ろしい本が有るらしい」と聞いていたので、

色眼鏡で見ていた事は認めますが、それを差し引ても、

「間違ったことは書いていないが、敢えて勘違いするように書いているな」

というのが正直な感想でした。

この書籍の最終的な結論は、「QYLDの分配金を再投資すればFIREできる」という主張なのですが、

主に3点で勘違いを狙っているなと感じた訳です。

  1. QYLDは高配当株に投資するETFである。
  2. QYLDの基準価格(株価)は安定している。
  3. QYLDは分配金が多いからFIREに向いている。

これ全部、勘違いですからね!

QYLDは高配当株とは関係ありません。

この書籍の本題である、ほったらかしでもFIREできる理由は62ページから始まります。

要約すると、「優良企業の配当金は株価が下がっても安定して支払われるから安心」といった感じですね。

まあ、安定して高配当を出してきた企業は、株価が少し下がった所で減配は早々ないですから、嘘はついていません。

嘘はついていませんが、勘違いさせようとしている悪意が感じられました。

連続増配企業の素晴らしさを書かれても?

書籍の前半ではQYLDはあまり登場しません。

高配当を出す企業や連続増配を続ける企業を紹介し、いかに米国企業が素晴らしいかを語ってくれます。

そして、その後に「年利回り10%を超える米国ETF『QYLD』がありますよ」と続くわけです。

誰だって『高い配当金を出す企業に投資するETF(投資信託)』だと勘違いしますよね。

再び書きますが

QYLDと高配当株は何の関係もありません!

QYLDはNASDAQを利用した複雑な金融取引で利益を目指すETFです。

そのNASDAQには、配当金を出さずに自社ビジネスへ再投資する企業が多いのですから、

むしろ高配当企業と縁の薄いETFと言えるでしょう。

QYLDは高配当の企業に投資していません。

QYLDの基準価格(株価)は右肩下がりでしょ?

『ほったらかし投資FIRE』の書籍中には、QYLDで受取った分配金をQYLDに再投資した場合と、

米国の株価指数であるS&P500に投資した場合を比較した表が登場します。

何事もデータで比較するのは良い事なのですが、分かり易くするためと称して

基本右肩下がりのQYLDの基準価格が変わらないものとして計算されているんです。

なお、それだけのハンディを貰っても、結果はS&P500の方が早く資産が増えるという、結果だったのですが、

その後「先にFIRE出来るのはQYLDの方』という、謎理論が展開され始めました。要約すると

  • 1. 資産はS&P500の方が早く増えるけど、
  • 2. QYLDの分配金利回りは年12%なので、
  • 3. 手元に多くの現金が振り込まれるのはQYLDの方。
  • 4. だから、FIREにはS&P500よりQYLDの方が向いている。

だそうです・・・それなら

S&P500を年12%で取り崩せばいいでしょ?

という訳で、私が代わりに2014年からのS&P500(IVV)でグラフにしてみました。

IVV-QYLDの比較グラフ

IVVは分配金を再投資の後、毎月1%の売却

QYLDは年利回り12%の分配ですが、基準価格は当初の66%まで、下落しています。

IVVの毎月1%を売却も83%まで下落していますが、それでもQYLDよりは遥かにマシです。

これなら、より多くの元本が残っているIVV(S&P500)を保有した方が、より多くの現金を受取ることが出来ますよね。

QYLDの有利な点を無理やり探すとすれば、自動で分配金が口座に入金される事くらいでしょうか?

しかし、『ほったらかし投資FIRE』の書籍中では、

資産を増やす段階で、投資に掛ける時間は

QYLDの分配金を再投資する毎月3分だけ」、だから「ほぼ、ほったらかし」という主張でした。

いや、その3分でIVVの売却注文を出せるでしょ!!!

吹き出し、売却すれば同じでしょ

良書『ほったらかし投資術』と勘違いしてませんか?

実は『ほったらかし投資FIRE』と名前が似た投資本で『ほったらかし投資術』という良書が有ります。

「良い書籍と聞いたんだけど?」という方は、こちらの書籍と勘違いしていませんか?

ほったらかし投資術』は投資初心者さんに向けた、インデックスつみたて投資の教科書的な良書です。

FIREとはいかない物の、資産を増やす大きな道標になってくれるでしょう。

『ほったらかし投資FIRE』書評のまとめ

まず、夢の無い事を申し上げますが、投資本を一冊読んだだけで、FIREなんかできません!

『ほったらかし投資FIRE』は読者の勘違いを誘う点が多くあり、とてもおススメできない書籍です。

ある程度、投資の知識がある人が娯楽として読むのなら、読みやすく色々な意味で面白い書籍ですが、投資の参考に出来るような内容ではありません。

もしも『ほったらかし投資FIRE』の手法でFIRE出来る人が、同じ額でインデックス投資をすれば、

遥かに短い時間でFIRE出来るだけの資産を手に入れる事が出来るでしょう。

『ほったらかし投資FIRE』の特に注意して欲しいポイント!

  • QYLDは高配当や連続増配の企業に投資してません。
  • QYLDは仕組み上、少しずつ下落するETFです。
  • 分配金が無くても、売却すれば現金を受取れます。

そして何よりQYLDは基準価格が変動せず、年利12%を超える分配金を出せるような

魔法のETFではありません。

FIREは目指すより、インデックス投資で堅実に

投資の裏技など探しても無駄です。

有るのかもしれませんが、私達の様な一般市民が簡単に手に出来る書籍に書いてあるはずがありません。

幸いにも私達にはインデックスつみたて投資という、投資の知識や経験が無くても、本当にほったらかしで資産を増やすことが出来る手段があります。

老後を優雅に迎えられる程度の資産なら、苦も無く築くことが出来るでしょう。

インデックスつみたて投資には以下のようなメリットが有ります。

  • リスク分散効果が高い:市場全体に分散投資するため。
  • 運用コストが低い:アクティブファンドのような高額の運用費用が必要ないため。
  • 長期投資に適している:市場全体の成長に投資するため、一時的な変動による影響を受け難い。
  • 手軽に始められる:投資信託やETF(上場投資信託)などが多数存在する。
  • 透明性が高い:S&P500などの指数に基づいた投資なので、QYLDのように「何に投資してるか分からない」なんて事がない。

『ほったらかし投資術』やブログ主のよしきよが、イチオシのインデックス投資信託『オルカン』を別記事で解説しています↓
【つみたて投資はオルカンで】全世界株式の投資信託はiDeCoにもおススメ!

そして幸運にも、インデックスつみたて投資でFIREを達成できるような資産を築く事ができたなら、

その時にFIREするかどうかを決めれば良いんです。

『ほったらかし投資FIRE』ではなく、インデックスつみたて投資の教科書的な良書『ほったらかし投資術』で

とりえずFIREではなく『いつでもFIRE出来るだけの資産』を目指してみませんか。

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良書『ほったらかし投資術』でイチオシの投資信託は『オルカン』です。www.katsurao.info

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