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話題のゴルプラは危険?コスト5%!Tracers S&P500ゴールドプラスをわかりやすく解説

2022年8月の運用開始以来、大きな値上がりを見せている『Tracers S&P500ゴールドプラス(以下 ゴルプラ と記載)』

SNSやYouTubeでは値上がりに注目した紹介が増えています。

しかし結論から言えば、長期的な資産形成を目指す多くの投資家にとって、ゴルプラは最適な選択肢とは言えません。

この投資信託には見落としがちな落とし穴があります。

それは金に投資する目的であるリスク分散が機能していないことと、目論見書には明記されない隠れた金利コストの存在です。

動画でも解説しています

youtu.be

ゴルプラとはどんな投資信託か

ゴルプラは金(ゴールド)と米国株式指数のS&P500に半分ずつ投資し、さらに2倍のレバレッジをかける投資信託です。

出典:Tracers S&P500ゴールドプラス 目論見書

100万円を投資すると米国株式に100万円分、金に100万円分という配分になりますね。

ゴルプラの特徴をまとめると以下の通り

  • 投資先:米国株式(含む株価指数先物)・金先物
  • レバレッジ:2倍(100万円の投資で200万円分の資産を保有する)
  • 信託報酬:0.1991%
  • 為替ヘッジ:無し(円高円安の影響を受ける)
  • 新NISA:買い付け不可

ゴルプラ投資:二つの注意点

格安コストで手持ち資金以上の資産に投資できるすばらしい投資信託に見えますが、見落としがちな二つの注意点に触れておきましょう

  • リスク分散の効果が薄れている
  • 5%近い金利コストの負担

それぞれを順に見ていきましょう。

金に投資した理由はリスク分散では?

ゴルプラが注目を集めている理由の一つが、金と米国株式を組み合わせた「リスク分散」です。

金価格は世界を揺るがすような大ニュースが起きて株価が暴落した際、逆に値上がりする傾向があるため有事の金と呼ばれています。

ゴルプラに投資する人の多くは「株式市場が暴落しても、金が値上がりすれば損失を抑えられる」という期待を持っているのではないでしょうか。

しかし、ゴルプラの値動きを見ると2022年8月の運用開始以降、上昇を続けています。

3年前からのチャート 出典:楽天証券

6ヶ月前からのチャート 出典:楽天証券

金と株が両方とも値上がりしているということは、本来期待していた投資先の分散によるリスク軽減が全く機能していないということです。

株式市場が好調なときに金も上昇しているなら、株式市場が暴落したときに金も同時に下落する可能性が高まるでしょう。

「金を保有してリスクを抑える」という投資目的が破綻しているのです。

もしあなたがゴルプラを保有していて「両方上がってラッキー」と考えているなら、それは非常に危険な状態かもしれません。

『有事の金』という投資目的を見失い、単なる値上がり期待のギャンブルになっていないでしょうか。

レバレッジ投資信託に付き物の隠れた金利コスト

二つ目の注意点は金利コストです。

ゴルプラがレバレッジをかけるために利用しているのが「先物取引」という仕組みです。
先物取引とは、将来の決められた日に、あらかじめ決めた価格で資産を売買する約束をする取引のこと。

少額の証拠金を担保として預けるだけで、大きな金額の取引ができます。

先物でない普通の取引

まず先物を使わない通常の取引を見てみましょう。

画像のようにAさんが金塊を1万ドルで購入し、1年後に9000ドルで売却しました。

1万ドルを支払い、1年後に9000ドルを受け取ったため、実質的に動いたお金は1000ドルの損失分だけです。

先物取引:ゴルプラがレバレッジ取引で利用

そこで、もし最初から「1年後に売る」という契約をしていたら、1000ドルの資金だけでこの取引は成立できることになりませんか

つまり、1万ドルを持っていなくても1万ドル分の金塊に投資できるのが先物取引の特徴です。

ただ、良いことばかりではありません。

資金以上の金塊に投資できるということはお金を借りて投資しているようなものです。

当然、ただでお金を借りることはできないのですから金利コストが発生します。

先物価格に上乗せされる金利コスト

普通の取引なら金塊の売り手は1万ドルの現金を手にします。

売り手側の人は、その1万ドルを銀行に預けて利息を得られます。

しかし、先物取引では1万ドルを手にできないので利息もありません。

そのため、利息分を先物価格に上乗せしなくては公平な取引になりません。

この上乗せ分こそ投資家が間接的に負担する金利コストというわけです。

ゴルプラは投資額の200%分の資産を運用しており、そのうち約80%が米国株式(⇩のスクショ参照)なので、残り約120%が先物取引分です。

出典:Tracers S&P500ゴールドプラス 運用報告書

仮に米国の金利を年4.5%とすると、その1.2倍で5.4%…

年5%近い金利コストを別に負担しているのですから、信託報酬0.1991%という数字だけを見て「格安コストの投資信託だ」と判断するのは早計なのです。

そもそもゴルプラ投資は本当に必要なのか

この記事を読んで下さっているほとんどの人が富裕層でない普通の人でしょう。

つまり新NISAや確定拠出年金のインデックス積み立て投資で資産を増やしている段階のはずです。

ではS&P500やオルカンが暴落したらどうするか…

何もせずに粛々とつみたてを継続しますよね。

インデックス積み立て投資のメリットは余計な事をしなければ確実に平均的なリターンを出せることなんですから、

株価暴落に備えて金を持つ理由などありません。

仮に、ある程度資産が増えた後なら株式の割合が大きすぎて不安な場合もあるでしょう。

しかし、そんなケースでも現金(銀行預金)の比率を高めればことたりますし、個人向け国債10年を保有することで暴落に備えられるでしょうから

ゴルプラに出番があるとは思えません

www.katsurao.info

一方、既に莫大な資産を持つ人なら金も選択肢に入りますが、それだけの資産があるなら格安コストの金ETFや投資信託を選ぶはずです。

また、レバレッジをかけた短期トレードで利益を狙う人なら、金とS&P500に別々に投資できる信用取引やCFDの方が選択肢に入るでしょう。

どちらか片方だけを利確損切りできるのは大きなアドバンテージです。

結局、ゴルプラを買うべき人は、お金に余裕がある人が「趣味も兼ねて買ってみる」くらいしか思いつきません。

まとめ:ゴルプラ投資はおすすめしない

  • 値上りで投資目的を忘れてませんか?
  • 隠れた金利コスト年5%程度が運用成績を圧迫する
  • 資産を増やす段階の人は株式インデックスだけで十分
  • 金投資が必要な富裕層なら格安コストのETFや投資信託を
  • 短期トレードなら信用取引やCFDがある
  • ゴルプラは余裕資金での趣味的投資に留めるべき

流行りに飛びつく前に、投資目的を見失わないようにしたいですね。

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