インデックス投資信託より不利になる、高配当株投資はおすすめしない。
新NISA制度の成長投資枠は個別株やETFを無期限の非課税で運用できるので、配当金を貰う度に20%もの税金を支払っている高配当株投資派の方は、開始が待ち遠しいんじゃないでしょうか。
しかし、新NISAを待たなくとも、税金を大きく節約できることをご存じでしょうか。
それは、投資信託を定期的に一部売却する事で、高配当株投資と同じように現金収入を得る投資手法で、特定口座はもちろん新NISAでも有利に働いてくれるんです。
私は現在、サイドFIRE中で4%取り崩しポートフォリオを構築中ですが、株式資産の殆んどを、一部売却用のインデックス投資信託に充てています。
老後の為ではなく、今の生活を豊かにするために高配当株投資をしている皆さん。
是非この記事で税金を節約し、今よりもさらに多くの資産収入を手に入れて下さい。
この記事でこんな事が分かります。
①インデックス投資信託の一部売却が高配当株投資よりおススメな理由
・税金が安い。
・投資に手間が掛からない。
・非課税の新NISAでも有利。
②IVV(S&P500)とVYM(高配当株)の比較結果
③楽天証券なら投信を自動で定期的に売却できる。
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高配当株の配当金狙いは割に合いません!
新NISAの話題に入る前に、まずは特定口座で高配当株に投資して、配当金を受け取った場合と、投資信託を一部売却して現金を受取った場合を比べてみましょう。
グラフは100万円の元本で投資信託と配当利回り3%の株式を購入した場合を比較しています。
投資信託の売却は、利益に対してのみ税金が掛かりますので、一期目の3万円売却時の税金は240円ですね。
次に配当金は、配当額の全額に税金が掛かりますから、税金は6千円です。
- 3万円×4%×20%=240円
- 3万円×※20%=6千円
※確定申告の配当控除で10%になる場合もありますが、この記事では税率20%で統一します。
更に含み損状態で投資信託を一部売却した場合は、利益0円なので、税金は掛かりませんが、配当金に対する税金は必ず掛かります。
仮に、株価が大暴落して大きな含み損状態でも配当金を受取れば、必ず20%の税金を払わなくてはいけないんです。
配当金が不利なのは税金だけじゃありません!
高配当株投資が不利な面は税金だけではありません。他にも多くのデメリットが有るのです。
- 銘柄選別に時間が掛かる。
- 買付けるタイミングが重要。
- 保有銘柄を管理する必要がある。
高配当株投資は、これだけのデメリットを抱えても、得られるリターンは
「上手く行けば、インデックス投信よりちょっと良いかも」程度です。
投資の勉強や趣味を兼ねて投資をしているのではなく、単に「資産からお小遣いが欲しいだけ」なら、割に合わない労力だと思いますよ。
「高配当株はおススメしない!」の過去記事↓
高配当株ETF:VYMと比べても投資信託が有利です。
個別株ではなく、高配当株ETFに投資されている方もおられるでしょう。
ETFなら銘柄選別に掛かる時間は殆んど掛からないですし、保有銘柄の割合調節も自動でやってくれますから、投資の手間はさほど掛かりません。
しかし、そもそもインデックス投資と比べて高配当株ETFは有利な投資なのでしょうか?
国内の高配当株ETFは信託報酬がネック
まず国内の高配当株ETFですが、正直、「買ってもいいかな」と思う銘柄がありません。分配金に対する税金の不利が無くともです。
理由は単純に保有コストが高いからで、国内高配当株ETFの信託報酬は軒並み0.3%を超えているんですよ。
インデックス投資信託の信託報酬が0.1%を切っている時代に、これでは買えません。
実質、買った瞬間に配当利回りが0.3%以上も下がるという事ですからね。
IVVとVYMを比較
米国ETFの高配当株ETFは信託報酬の安い銘柄がそろっていますので、こちらはS&P500のIVVと高配当株のVYMを比較してみましょう。
・IVV(S&P500)
経費率 年0.03%
平均分配利回り 約1.92%
・VYM(高配当株)
経費率年0.06%
平均分配利回り 約3.12%
VYMが設定されたのは2006年11月ですので、検証は直後の2007年1月にETFを買い付けた場合で行いました。
検証初期の頃は「ややIVVが有利かな?」くらいの差ですが、ここ数年はIVVが圧倒的に資産を増やしています。
しかし、昨年の下落相場ではVYMの方が緩やかに下落していますね。
これは、値動きの大きいIT銘柄が好調時にIVVが上昇し、下落に転じた時期は、IT銘柄の少ないVYMの下落が抑えられた為です。
四半期ごとの利回りもVYMが不利
次は短期間での値動きで比較してみましょう。複利で増やすよりも、現在の現金収入を優先する高配当株投資では、こちらの結果がより重要ですよね。
検証期間の16年を四半期ごと64期間に分けて算出しました。
以下の条件で各四半期を検証してみましょう。
- 四半期の始値で買付
- 四半期の終値で売却
- 分配金は受取
この検証を2007年1月から2022年12月までの64四半期で検証した結果です。
結果的に、直近16年は長期保有も四半期単位の短期保有も『IVV(S&P500)の方が有利』という結果になりましたね。
新NISAでもVYMだと税金が掛かります。
利回りで劣るVYMには更なる欠点が有ります。
まずは、新NISAでも外国税を支払う必要がある事です。
米国ETFを特定口座で保有していると、確定申告で外国税を取り戻す事も可能ですが、NISA制度では適用されませんので、分配金に対して10%が課税されてしまいます。
これも大きなデメリットですね。
高配当株の株価は上がり辛い
そもそも、高配当を出す企業の株価は上がり辛い事をご存じでしょうか?
配当金を株主に支払うと、それだけ企業が持っているお金が減ります。
すると次のビジネスに回す資金も減りますから、株価上昇を期待する投資家は株を買ってくれません。
逆に配当金を出さない企業は、利益の全てを次のビジネスに回すことが出来る為、更なる事業拡大と株価上昇が期待されます。
VYMは『株価が上がり辛い企業の詰め合わせパック』とも言えるんです。
もちろん割安になった所でVYMを買えば、長期的に高配当を受取り続ける事ができますので、「単純に比較しても無意味」という意見も分かります。
しかし、その割安なタイミングを見つけるのが難しいのが投資ですよね。
なにより、タイミングを見て投資できるなら、インデックス投資信託を、割安な時に買えば良いのではありませんか?
新NISAでも投資信託の有利は変わりません。
それではいよいよ、新NISAを使って比較してみましょう。
新NISA口座 | ||
---|---|---|
投資枠 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
生涯投資枠 | 合計1800万円 | |
全部つみたて枠 でもOK |
最大 1200万円まで |
|
投資対象 | つみたてNISA 銘柄と同じ |
株式・ETF 投資信託等 |
『つみたて投資枠』は老後の為の投資枠ですので、日々の生活を豊かにする為には、『成長投資枠』をいかに上手く利用するかが重要ですね。
そこで『eMAXIS Slim 米国株式が設定された直後から、新NISAで投資できたら』という想定で比較グラフを作成しました。
VYMと投資信託を年3%で一部売却した場合です。投資銘柄は以下の3本
- VYM(円建て換算)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 楽天・米国高配当株式(VYMに投資する投資信託)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は言わずと知れた、最も有名な投資信託ですね。
楽天・米国高配当株式はVYMに投資する投資信託ですが、分配金は出ません。
これら3銘柄を比較すると、VYMの不利は否めませんね。
更にVYMを始めとする米国ETFには、評価額に現れないデメリットが有る事も忘れてはいけません。
- 売買や為替の手数料がかかる。
- 分配金を円に替えるのが手間。
- 単元単位でないと購入できない。
- 新NISAのつみたて枠が使えない。
あえて、ETFの有利な点を挙げるとすれば、自動で分配金が入金されるくらいでしょうか。
しかし、それも投資信託の定期売却サービスを利用すれば済む事です。
一部売却で疑似配当金を貰いましょう。
楽天証券が投資信託を定期的に売却できるサービスを提供しています。
定期売却サービス
(2023年1月26日現在)
- 対象銘柄:積立可能な投資信託
- 受取日:毎月1回
- 受取方法
定額:1,000円以上1円単位
定率:0.1%単位(SBI証券は定額のみ可能です)
期間指定:指定日まで口数単位
注:SBI証券でも定額売却サービスを使えますが、NISA口座は未対応、新NISAに期待
高配当株投資の目的は、日々の生活を豊かにするため、生活口座に現金が振り込まれる事ですよね。
例えば毎月0.3%の売却設定をしておけば、年3.6%の配当金を受取るのと変わりません。
実質的に『銘柄選びの必要ない高配当株投資』ですよ。
定期定率売却サービスの詳細は楽天証券HPで確認できます。
ホームページに移動した後、サイト内検索欄に『定期売却サービス』と打ち込み🔎ボタンを押せば、詳細ページに移動できます。気になる方はチェックしてみて下さい。
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投資信託を売却すれば非課税枠が復活します!
配当金や分配金の受け取りと違い、投資信託の一部売却は、利益分だけでなく元本も売却していますので、その分の非課税枠が復活します。
臨時収入が入ったり、使う予定で売却したお金が余った場合等は、復活した非課税枠を利用して、老後の為の投資を増やす事も出来ますよ。
新NISAはこの点でも、毎月の一部売却と相性が良いですね。
新NISAは2024年から楽天証券で
投資信託の定率売却を新NISAで行うには、必ず楽天証券の新NISA口座で投資信託を保有していなくてはいけませんので、楽天証券で新NISA口座を持つ手順を見てみましょう。
①:まず、既に楽天証券でつみたてNISAまたは一般NISAの口座を持っている方は、自動的に楽天証券で新NISA口座が利用できるようになりますから、手続きは不要です。
②:今年に入って買付をしていない場合は、今年(2023年)分の現行NISAから楽天証券に変更することもできます。
③:今年に入って一度でもNISA口座で買付をしていると、今年(2023年)分の変更はできませんので、※10月以降に翌2024年からの変更手続きをする必要があります。
※昨年までの手続きが10月からでした。
④:まだNISAの口座を作られていないなら、これを機会に作ってしまいましょう。
年末に近づくと、新NISAがTVのワイドショー等で取り上げられ、口座開設の申込者が増える可能性が高いです。
NISA口座の開設は証券会社の他、税務署の審査も必要ですので、時間が掛かる場合が有りますから、早めに行動するに越したことはありません。
先にNISA口座だけ作っておいて、後から何に投資するかを考える事も出来ますので、まずは口座開設です!
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まとめ:新NISAはVYMよりインデックス投資信託で利用しましょう。
今回の記事では高配当株から配当金を受け取るよりも、投資信託の一部売却をおススメしました。
そもそも高配当株の個別投資はインデックス投資に比べて、不利な点が多いです。
- 含み損でも税金を取られる。
- 難しい銘柄選別が必要。
- 買付時期を判断しないといけない。
- 自力で保有割合を調整する必要がある。
- 優良銘柄でなくなったら、切り捨てる判断が必要。
仮に新NISAで税金の不利が無くなったとしても、相当な労力と手間がかかる投資手法です。
あえて高配当株の個別投資に新NISAを使うとしたら、趣味や学ぶための投資に『余った非課税枠を使う』くらいでしょうか。
高配当株ETFもデメリットが多い
ETFを利用すれば個別株投資に比べ負担は減りますが、以下の様な欠点がある為、おススメできません。
高配当株ETFのデメリット
ETF共通
・インデックス投資信託に利回りで劣る。
・株価が上がり辛い銘柄が多い。
国内ETF
・保有コストが高め(信託報酬0.3%越)
米国ETF
・新NISAでも分配金の外国税10%は避けられない。
・別途かかる手数料がある。
ETFの唯一のメリットが「自動的に分配金が口座に振込まれる」ですが、楽天証券・SBI証券の定期売却サービスで、売却設定をすれば、『疑似高配当ETF』の出来あがりです。
更に新NISAなら税金は0円が確定、売却した分の非課税枠まで復活するおまけつきですよ。
高配当株という言葉は、いかにも大きな利益を産んでくれそうな響きですが、所詮は投資手法の一つに過ぎません。
資産からお小遣いが欲しいだけなら、インデックス投資信託の一部売却の方が、投資に掛かる手間も、得られるお金も優れています。
新NISAはインデックス投資信託を最優先で利用しましょう。
高配当株投資を始めるか悩んでいる方には、こちらの記事がおすすめ↓
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