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「厚生年金が搾取される!」は大誤解!2040年以降はプラス転換、差額は月19,000円に

私たちの老後のお金、本当に大丈夫なの?

年金制度について考えるとき、誰もがこんな不安を抱えているのではないでしょうか

特に最近では、SNS上で「厚生年金のお金が国民年金に回されて減ってしまう」という声を目にして、さらに不安が大きくなった方も多いはずです。しかし…

  • 私たちの年金が減る
  • 払った厚生年金が自営業者・専業主婦に取られる

↑これ、誤解です。

実は検討されている年金制度の変更は、私たち現役世代にとって悪い話ではありません。

むしろ、将来受け取る年金額が増えるありがたい変更なのです。

今日は、厚生労働省が提案している「基礎年金の3割底上げ案」について、具体的な数字を見ながら一緒に考えていきましょう。

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『基礎年金の3割底上げ案』についての新聞報道がありました。

基礎年金の3割底上げ案、厚生年金の受給額は2040年度まで減少…試算を社会保障審議会に提示

厚生労働省は10日、厚生年金の積立金を基礎年金(国民年金)の底上げに活用し、基礎年金の給付水準を3割程度引き上げる案について、2040年度までは厚生年金の受給者が受け取る年金額が、現行制度に比べて減少するとの試算を明らかにした。

引用:讀賣新聞オンライン

今の年金制度は二階建て構造

本題に入り前に、まずは現行の年金制度を軽く解説しましょう。

出典:厚生労働省 年金制度解説マンガ

出典:厚生労働省

日本の公的年金制度は「二階建て」の構造になっています。

まず「1階部分」は全ての人が加入する国民年金(基礎年金)で「2階部分」は会社員や公務員が加入する厚生年金です。

注目すべきは1階部分の基礎年金の天井(貰える年金額)が高くなると、2階部分である厚生年金の天井も上がる仕組みだということです。

つまり引用の新聞記事に書いてある『厚生年金の受給額は2040年度まで減少』は一時的なもので、それ以降は厚生年金加入者(会社員・公務員)の年金アップにつながるのです。

物価が上がれば年金も増える

基本的に年金額は物価や賃金の上昇に応じて増える仕組みになっています。

しかし、日本の経済状況がイマイチだったため、当初の予定通りには給付額を増やせないという課題が出てきました。

そこで2004年に導入されたのが、年金の給付額を調整する(少し抑える)「マクロ経済スライド」です。

マクロ経済スライド解説

現行ではこのマクロ経済スライドによる年金調整を2057年まで続けることが計画されていますが、その頃の年金額はどのくらいになっているのでしょう。

今の制度が続くと年金が賃金の半分に!

年金が増えているか減っているかは「所得代替率」という指標で判断します。

これは以下の2つを比較したものです。

  • 現役世代の平均手取り賃金
  • 夫婦二人の年金額の合計

[所得代替率の解説画像]

厚生労働省の公式資料によると現行制度の調整を継続すれば、2024年の所得代替率61.2%から2057年は50.4%まで低下すると試算されています
(画像↓↓↓上段)

そこで考えられたのが、今話題になっている『基礎年金の3割底上げ案』で、低下を56.2%に抑えようとする計画です。(画像下段)

マクロ経済スライド現行と改正案

出典:厚生労働省 公式資料 14頁

厚生年金と基礎年金の調整を同時に終わらせる

画像上段の現行を見ると厚生年金のマクロ経済スライドによる調整は(2年間)で終了する計画ですね。

これは基礎年金よりもお金に余裕があるからです。

それを画像下段の早期終了ケースでは2036年まで引っ張り、基礎年金と同時に終了します。

調整する期間が長くなれば支払う厚生年金が少なくなりますから、浮いたお金を将来の基礎年金に充当できますね。

2040年で早期終了が現行を逆転

ではマクロ経済スライドの早期終了でどれだけ状況が変わるのでしょうか。

基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了の所得代替率を比較

画像左側の2036年では現行制度の方が1.9%だけ上回っていますね。

しかし、現行ではここから2057年にかかけて(基礎)部分がさらに低下していきます。

逆に早期終了すると2036年のパーセントがずっと固定されますので2040年に逆転し、2057年には5.8%もの差がついています。

厚生年金・国民年金の両方にメリットが有る

会社員・公務員の方の厚生部分は現行より少なくなりますが、基礎部分が増額されていますので、トータルではプラスになっていますね。

基礎部分=国民年金ですから、この増額により自営業や専業主婦の方の年金も大きく増えることになります。

平均的な家庭で月1万9,000円相当のプラスに

調整の早期終了が実行されると受けとる年金額がどのくらい変わるか見てみましょう。

2024年時点で受け取っている年金は平均20万円くらいですから、逆算すると現役世代の平均手取り賃金が分かりますね。

  1. 2024年の所得代替率は61.2%
  2. 20万円 ÷ 61.2% ≒ 32万7,000円(現役世代の平均手取り)
  3. 32万7,000円 × 所得代替率 = 年金額(月額)

これを元に各年度の年金額を見てみましょう。

  • 2036年:(現行58.0% 早期56.2%)
    現行
    :19万円
    早期:18万4,000円
    最も差が開く2036年で6,000円ほどの差です。
    ーーーーー
  • 2057年:(現行50.4% 早期56.2%)
    現行
    :16万5,000円
    早期:18万4,000円
    最終的に現行と比べ+1万9,000円が継続されます。

    注:物価・賃金の変動で基準にした20万円は変わります。あくまで生活に与える影響をイメージするための参考です。

今 年金をもらっている人は損

ここまでは良いことずくめに感じますが、良いことばかりではありません。

早期終了を実施すると、2040年までの期間では現行制度より年金の受け取り額が少なくなります。

現行と早期終了が逆転するポイントは2040年

すでに年金をもらっている高齢者にとっては不利な制度変更でしょう。

SNSの書き込みを見ていると自営業や専業主婦(夫)に対する批判が散見されますが、それは的外れなものと言わざるを得ません。

最もデメリットを被るのはSNSに触れることのほとんどない、後期高齢者の方々なんですから。

年金は減るが何とでもなる

『基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了』が実施されれば2040年以降の年金減額は抑えられます。

しかし、現在の2024年時点と比べれば減っていることに変わりまりません。

安定した老後を送るためには年金の受け取り額以上に何歳から受取るかが重要です。

逆に考えると受給年齢さえ誤らなければ打てる手はあります。

この記事を最後まで読むほど年金情報に興味をお持ちなら、ぜひそちらをまとめた記事もチェックしていって下さい。↓↓↓

www.katsurao.info

参考資料(厚生労働省)

基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了(マクロ経済スライドの調整期間の一致)について②

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