『株価連動型債券』はローリスクの素晴らしい金融商品です、売る側にとってですがwww
前回の資産運用記事で『損失限定型』なる投資信託をこき下ろさせて頂いた、よしきよですが、今回はついでに『早期償還条項付・株価連動債券』なる仕組債にスポットを当ててみたいと思います。
広告が某有名証券会社のHPに掲載されていたので、気に成っている方も多い事でしょう。
余談ですがサイドFIRE生活は趣味の一つである「金融広告に難癖をつける」時間が多く取れて素晴らしいですねwww
さて、結論から先に言うと『株価連動債券』への投資はおススメしません、それは投資家側(私たち)がリスクだけを押し付けられ、販売している証券会社はノーリスクで儲けるだけの商品設計になっているからです!!!
この記事を読んでいただければ、証券会社や銀行への無駄なお布施を防ぐ事が出来るでしょう。(笑)
投資初心者の方は熟読を、ベテランの皆さんは毎度おなじみのアルアルねたとしてお楽しみください。
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『株価連動債券』はリスクが少ないように見える『逆宝くじ』!
『株価連動債券』とは参照する株価によって、満期時の償還額が変動する金融商品(仕組債)のことです。
※『債券』となっていますが国債や社債とは全く違いますよ。
満期まで保有する事で高い利回りが得られる可能性がある反面、参照株価が一定の価格(ノックイン価格)まで下落すると元本割れを起こしたり、逆に値上がりして早期に償還(払い戻し)されたりします。
もしもこんな『株価連動債券』があったら、投資しますか?
- 参照株式:株式会社○○産業
- 発行体:✖✖銀行
- 利率:年8.00%
- ノックイン判定価格※1:当初株価の80%
- ノックインした場合の償還額は参照株式の最終価格
- 早期償還判定水準※2:当初株価の105%
- 当初価格:20××年○○月✖✖日の株価終値
- 期間:1年
※1 ノックイン判定価格:この株価まで下落しなければ元本割れしない。
※2 早期償還判定水準:この株価を基準日に超えていると満期前に返金される。
8%の高利回りは魅力的ですか?この『株価連動債券』に100万円を投資した場合の未来を考えてみましょう。
- 8万円の利益(100万円の満期償還+利息8万円)可能性:中
○○産業の株価が一度もノックイン価格まで下落せず、早期償還もされなかった場合。 - 8万円未満の利益(100万円の早期償還+償還前の利息)可能性:大
○○産業の株価が早期償還判定されてしまった場合。 - 最大92万円の損失(最終株価+利息8万円)可能性:小
○○産業の株価が1度でもノックイン価格以下になり、その後当初価格まで戻らなかった場合。 - 無限の利益の可能性(最終株価+利息8万円)可能性:奇跡的
○○産業の株価が一時的にノックイン価格以下になったが、その後に上昇に転じ、一度も早期償還判定には引っ掛からず、満期時には当初価格より高くなった場合。
※()内は投資家に返金される額
ノックインしなければ誰も損しない平和な世界
仮に、参照株価が一度も参照株価まで下落しなかった場合、顧客は元本が返ってきた上に利息も受け取れますし、証券会社も手数料で利益を出しています。だれも損しない平和な世界です。
ノックインで証券会社が大儲け?
しかし、○○産業の株価が一度でもノックイン価格まで下落してしまえば、投資家に償還(返金)すべき額は株価と同じ額になります。
つまり証券会社は80まで下落(ノックインが確定)した時点で○○産業の株を買えば、たとえ株価が50まで下落していようと、保有している株を売却して50万円を返金すれば良いのです。
なお、証券会社は株価が80の時に株を買えば、客から預かった100万円との差額20万円が利益になりますからノックインしてくれた方が儲かるんですよ。(笑)
ノックインし易くする為の早期償還
ノックインした方が証券会社が儲けられる事は分かって頂けたと思いますが、これが「早期償還」という特典?が有る理由です。
株価が値上がりしてしまっては、中々ロックインしてくれず、証券会社も儲けられません。(笑)
そこで早期償還という謎特典で漏れなく一旦返金し、再び『株価連動債券』を購入するように勧めるのです。
- 『株価連動債券』購入時
当初株価:1000円
ノックインライン:800円(当初株価の80%)
200円の下落でノックインする。 - 2か月で株価が上昇
参照株価:1300円
ノックインライン:800円(ノックインラインは固定)
500円の下落でノックインする。 - 新しい『株価連動債券』
新しい当初株価:1300円
新しいノックインライン:1040円(新しい当初株価の80%)
260円の下落でノックインする。
株価が値上がりしてしまい、ノックインまで下落するのに500円下落する必要があったのに対し、早期償還して新しい『株価連動債券』を買って貰えば260円の下落でノックインしてくれるます。とってもお得ですよねwww
新しい『株価連動債券』は再購入されやすい
もちろん早期償還後に同じ『株価連動債券』を買ってくれるとは限りません。
しかし、たちの悪い事にほとんどの場合で利益が出てしまうんですよ、この『株価連動債券』は・・・
特に早期償還は必ず利益が出た状態で償還されてしまいます。(元本と利息)
失礼ながら『株価連動債券』を購入する人は投資にあまり詳しくない人ですから、一度得た成功体験は強烈です、短期間で利益を出すことが出来た投資先を再び選んでしまう可能性が高いでしょう。
証券会社にとって株価下落まで買い続けてくれる、上客となってくれるのです。
※私は証券会社の中の人ではありませんので実際にこんな取引をしているかどうかは分かりません、あくまでこういう取引が可能では?という事なので
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まとめ:実は高リスクの『株価連動債券』はおススメしない
『株価連動債券』は債券と呼ばれているものの、国債や社債とは全くの別物です。
- 株価暴落で大きく損する場合がある。
- ほとんどの場合で株価が上昇しても大きな利益にはならない。
- 途中解約すると大損するのが確定している。
コレだけのデメリットを承知して、なお高利回りを狙いたいのならば購入を止めはしません。
米国株のインデックス投資でも年平均7%と言われますから、損失覚悟で勝負するのも手でしょう。
しかし、「○○産業は大きな会社だから安心」なんぞといった理由で、購入しようとしているのなら自重すべきです。
『逆宝くじ』を買い続けますか?
『株価連動債券』は「殆んどの場合で小銭が手に入るけど、運が悪いと大損します」という『逆宝くじ』です。
もしも『90%の確率で8万円貰えるが、10%の確率で70万円の借金を背負うクジ』がタダで引けるとしたら、あなたは引きますか?
↓↓↓『株価連動債券』の他にもダメダメな金融商品が有ります。
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