高配当株 vs インデックス投資:どちらが得か?投資初心者さんに解説
投資を始めると決めたものの、どの投資先を選べば良いか迷っていませんか?
私もかつて同じように迷っていた一人です。
しかし、長年の投資経験と幸運の末、ついにインデックスつみたて投資でサイドFIREを達成することができました。
今回は、投資初心者さんが迷うであろう、配当金を目当ての高配当株投資と資産額を増やすインデックス投資について解説します。
高配当株投資は、現在の現金収入を重視する投資、インデックス投資は将来の資産額を重視する投資です。
それぞれの特徴やメリット、デメリットについても紹介していきますので、ぜひ投資初心者の方も参考にしてみてください。
この記事で分かる事
- インデックス投資のメリットデメリット
- 高配当株投資のメリットデメリット
- S&P500とVYM(高配当株)を比較した結果
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インデックス投資とは?初心者でもわかる基礎知識
インデックス投資とは、ニュースでお馴染みの株価指数、日経平均株価や米国のS&P500指数等と同じ値動きをする投資信託に投資することです。
殆んどのインターネット証券で買うことが出来る『eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)』という投資信託が有名ですね。
この『eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)』を買えば、S&P500指数を構成するアメリカの大企業500社に投資したことになりますから、アメリカという国全体に投資することが出来るんですね。
どの株が上がるか分からないなら、「アメリカを全部まとめて買ってしまえ!」という、投資の知識の全くない初心者さんにおススメの投資手法です。
注:米国以外にも日本・先進国・全世界に投資するインデックス投資信託もあります。
インデックス投資は、たくさんの企業が集まっている「株式市場」全体に投資する事で、リスクを分散させながら資産運用することができます。
手間も掛からず、つみたてNISA制度を使えば税金も優遇されます。
ただし、投資をすることでお金が増えるまでには時間がかかるため、資産運用が順調でも、日々の生活が豊かになるわけではありません。
また、自分で企業を選んで投資することができないため、「つまらない」と感じる人もいるかもしれませんね。
しかし、長期的な視点で見ると、資産を大きく増やせる可能性が高いため、少ない手間で効率的に資産運用を行いたい投資初心者の方にはおすすめの投資手法です。
インデックス投資のメリット
- 手間が掛からない
- つみたてNISAが使えるので税金が有利
- 多くの投資先に分散投資できる
インデックス投資のデメリット
- 普段の生活が豊かになる訳ではない。
- 投資期間中は何もやる事が無いのでつまらない
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高配当株投資:初心者にこそ知ってほしいポイントとは?
高配当株投資とは、配当金を多く支払う株式を選んで投資する方法です。
インデックス投資が株式市場の全体に投資するのに対し、配当金を多く出す企業に絞って投資するのですから、ある程度の投資知識が必要になりますね。
高配当株投資のメリット
- 日々の生活で使えるお金が増える
- 投資の知識が増える
- 趣味として投資を楽しめる
高配当株投資のデメリット
- 投資に手間が掛かる。
- 株価が上がり辛い
- 配当金を受取るたびに税金が掛かる
高配当株投資の良くある勘違い
「配当金が多い方が利益が出る」は勘違い
投資初心者さんが勘違いしがちなのが「配当金を貰った方が儲かる」です。
配当金を出す企業はそれだけ、企業の成長の為に使えるお金が減るわけですから、手元に豊富な資金がある企業に比べ、様々なハンディを負うことになるんですよ。
・最新式の設備を導入できない。
・優秀な社員を雇えない。
・新商品の開発が遅れる等
当然、その分企業の成長が遅くなる訳ですから、配当金を出さない同業他社と比べると、株価が上がり辛くなるんです。
配当金での現金収入を優先するか、企業の成長による株価の上昇を優先するか、悩みどころですよ。
「暴落時に株価が下がりにくい」も勘違い
「高配当を出す企業は、暴落時でも株価が下がりにくい」と聞いたことが有りませんか?
しかし、実際に過去データでインデックス投資と比べるとそんな事は無いというのが結論です。
S&P500と高配当株を比較
この先、インデックス投資で有名な米国の株価指数『S&P500』と高配当株を比較します。
前述の投資信託『eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)』は作られて間もない投資信託でデータが少ない為、IVVという米国の投資信託を使って検証します。
更に高配当株は、米国の高配当を出す企業に投資する投資信託、VYMのデータを使います。
リーマンショック時:VYMの基準価格が戻るまで。
リーマンショック時とコロナショック時を検証の結果、配当金を多く出す企業の株価は暴落時に下落しにくい、という投資格言は当てはまりませんでした。
私の個人的な推測ですが、成長中の小さな新興企業に比べて下落しにくい、という程度だと思います。
高配当を出す企業の多くが、歴史のある安定した企業である場合が多いですからね。
例え暴落時であっても、インデックス投資と比べると分が悪い様です。
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老後に備えるなら、絶対にインデックス投資を選ぶべき理由とは?
投資を始める方の殆んどが、老後の資産を増やす事が目的でしょう。
その場合は、インデックス投資が最もおすすめです。
理由は、高配当株に投資するよりも期待できるリターンが高く、さらに税金的にも有利だからです。
IVV(S&P500)もVYM(高配当株)も大差ない値動きが続きますが、ここ数年はIVVが圧倒していますね。
更に配当金には約20%(米国ETFなら28%)の税金が引かれるため、再投資したとしても、少ない額しか投資できません。
配当金(分配金)の出ない投資信託『eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)等』と比べて、不利になるのは避けられませんね。
未来の為に投資するのなら、インデックス投資が最適でしょう。
高配当株投資は今を楽しむ為の投資
もちろん、高配当株投資にもメリットはあります。
- 現金が手に入る
インデックス投資と違い、配当金が現金で振り込まれます。多額の資金を投入できるのなら、日々の生活を豊かにする事ができるでしょう。 - 投資を学ぶことができる
企業の業績や経済ニュースを調べることで、投資の基本的な知識を身につけることができます。 - 趣味として銘柄選定を楽しめる
銘柄を調べたり、企業の将来性を予想したりする、趣味として楽しむことができます。
簡単ではない高配当株投資
注意が必要なのは高配当株投資はかなり手間の掛かる投資だという事です。
インデックス投資の様につみたて設定だけして、ほったらかしにして良いわけではありません。
高配当の企業を探し、その企業の業績や財務状況をチェック、etc.
正直、投資が趣味でないとやってられないと思いますよ。
なお、投資信託を利用して、その手間を減らす方法を別記事で解説していますので、高配当株投資を始めるつもりの方は、ぜひ読んでみて下さい。↓
【高配当株投資】優良株を探す必要なし!手軽に【高利回り】を実現する方法とは?
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まとめ:投資初心者さんには、断然インデックス投資がおススメ
今回の記事では、高配当株投資とインデックス投資を比較しました。
インデックス投資は、手間がかからなく、税金が有利で余計な配当金が出ないなどのメリットがあります。
一方、高配当株投資は、配当金を多く支払う企業に絞って投資することで、日々の生活で使えるお金が増えるというメリットがありますが、以下の様なデメリットが有ります。
- 時間を掛けて優良な株式を探し出す手間が掛かる
- インデックス投資に利回り負けている期間が多い
- 株価が上がりにくい
- 配当金を受け取るたびに税金がかかる
投資初心者の皆さんは、まずはインデックス投資から始めることをおすすめします。
高配当株投資 | インデックス投資 | |
---|---|---|
投資目的 | 今の現金収入 | 未来の資産増加 |
税金 | 不利 | 有利 |
投資の経験 | 銘柄選定が学びに | 初心者のままでOK |
面白さ | 銘柄選定が 面白ければ |
面白くない |
初心者おススメ度 | × | ○ |
高配当株への投資は資産運用とは別の理由で
高配当株への投資も「投資を学びたい」「趣味で楽しみたい」という理由ならば、挑戦する意義はあると思います。
ただ、投資額が少ないうちから始めても、受取ることの出来る配当金はごく僅かですから、始めはインデックス投資で資産を増やすところから始めて下さい。
インデックス投資で老後資金の目途が立ったのちに、楽しむ為、学ぶための高配当株投資を始めるのが賢明だと思いますよ。
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