若手社員の皆さん!確定拠出年金で元本確保を選ばないで下さい。
新入社員の皆さん、企業型確定拠出年金(企業型DC)の投資先は何にしましたか?
「良く分からないから安全なやつで」とか「株は危ないって父が言ってたから」などの理由で、元本確保の投資先を選んでしまった方も多いんじゃないでしょうか。
しかし、運用期間が40年近い企業型DCで元本保証を選択するのは、ものすごく損し易い事なんですよ。
失礼ながら「元本確保型なら損しない」と考えているのなら、マネーリテラシーが低いと言わざるを得ません。
今回の記事では確定拠出年金を始めるにあたり、なぜ、元本確保型を選んではいけないかを記事にしました。
記事の最後には、おススメできる投資先も載せています。「えっ、もう投資先を会社に提出しちゃったよ」という人も、投資先の変更は可能ですので、ぜひ最後まで読んで下さい。
学ぶ手段は電子書籍でも紙の本でもOK
物の値段は少しずつ高くなるんですよ。
現在、自販機のジュースは120円くらいですが、35年前は100円でした。コンビニ弁当も500円あれば、超大盛の豪華なやつが買えましたよ。今、500円で買えるセブンの弁当でお腹一杯になりますか?
今、「あーーぁ、また老害の昔話かよ!」と思ったそこのあなた!
確定拠出年金で投資するのは、あなたが、その老害になっている遥か未来に使うお金なんですよ。
「減るのが怖いから元本確保型」という選択をした人は、「35年後は今よりモノの値段が安くなっている」と、予想して、日本円に投資したのと同じなんです。
上のグラフは、日本の物価ですが、これを見ても「35年後の物価は下がってる」と言えます???
せいぜい、「ここ30年上がってないから、これからも上がらないはず」くらいまででしょ?
ちなみに、日本銀行は毎年2%の物価上昇が好ましいという考えです。日銀様が物価を上げたいと考えているのなら、便乗するのが得策ですよ。
現金の価値は下がる
以下有名な書籍に掲載されたグラフです。アメリカの物ですが十分参考になると思いますよ。
「もしも、1800年に1ドルを株、アメリカ国債、金、現金に投資をしていたら」、というグラフです。
恐ろしい事に株式市場に投資していれば60万倍になったのに、現金のまま持っていたら、100分の7の価値になってしまいました。
株式会社は利益を出し、その利益を再び投資して、どんどん会社を成長させていきます。
物価が上がれば、売り上げも上がるわけですから、多少の物価上昇は、望むところでしょう。
しかし、現金を持っていても何も産み出してくれません。物価が上昇すれば、相対的に価値が下がっていくだけです。
長期で投資する確定拠出年金で現金(元本確保型)を選択するのが、いかに愚かな事か分かって頂けましたか。
若者の投資先は外国の株式でOK
超長期の投資ですから初めの投資先は、少しずつ上昇している歴史がある、株式でOKでしょう。
確定拠出年金では債券投資信託や不動産投資信託も選べますが、どちらも選択肢から外すべきです。
債券は株と比べて値動きが小さいメリットが有りますが、利回りが微妙で、確定拠出年金の持つ『運用益に対する税金がお得』というメリットを生かしきれません。
不動産も悪くは無いですが、株式と比べると手数料が高くなるので、見劣りしますね。
バランス型というのも有りますが、複数の資産に分散して投資するという事は、その分、資金を管理する投資会社の手間もかかるので、手数料が割高になります。
バランス型は既に資産を沢山持っている人が、暴落時の傷を浅くするために保有するものですので、これから長い時間を味方につけて、資産を増やそうという若い人には非効率な投資先なんですよ。
日本の株じゃダメなの?
投資先は日本株か外国株式の選択ができますが、外国の株式を選択してください。
「日本人だから、日本株に投資したい!」という気持ちも良く分かりますが、残念ながら、日本は数ある先進国の一つにすぎません。
どの国が成長するか予想できない以上、先進国全体又は世界経済の中心であるアメリカに投資する事をおススメします。
なお、別記事で少し書いていますが、アメリカの株式市場に16年以上積立投資を継続できた人は、誰一人として損していませんよ!
「積立を継続すれば誰も損してないって本当?」グラフを掲載してます↓↓↓
www.katsurao.info
『確定拠出年金』で投資しても良い投資信託
企業型DCを取り入れている企業は、運営を証券会社や保険会社に委託しています。
そのため、皆さんが選択できる投資信託の中には、証券会社が売りたい投資信託が多く含まれています。
『証券会社が売りたい』=『証券会社が儲かる』ですから、手数料が高い投資信託という事ですね。
(;一_一)マジカ
注:企業型DCの説明で「売買の手数料は掛からない」と聞いたと思いますが、売買に手数料が掛からなくても、投資信託の保有には手数料が掛かります。この手数料の事を信託報酬と言います。
ブログ主が選んだ、数少ない投資しても良い投資信託
どこの証券会社のHPにも、『企業型DC応援プラン』みたいな、企業向けのサービスが紹介されており、数十の投資信託から選べるようになっていました。
恐ろしい事に殆んどが、手数料が高い投資信託でしたが・・・(笑)
そこで、投資歴15年、資産運用でサイドFIREを達成した私が「これなら自分でも投資する」という投資信託を選別しましたので参考にして下さい。
おススメできる投資信託
- ダイワつみたてインデックス外国株式
信託報酬:年0.154% - "野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI"
信託報酬:年0.154% - ”野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)"
信託報酬:年0.154% - 三井住友DS・外国株式インデックス年金ファンド
信託報酬:年0.154% - 三井住友・DC外国株式インデックスファンドS
信託報酬:年0.154% - DCニッセイ外国株式インデックス
信託報酬:年0.154%
「悪くないかな」と思う投資信託
- DCダイワS&P500インデックス
信託報酬:年0.220% 米国株式(S&P500) - 大和DC海外株式インデックスファンド
信託報酬:年0.253% - iFree NYダウ・インデックス
信託報酬:年0.248% 米国株式(NYダウ) - iFree S&P500インデックス
信託報酬:年0.248% 米国株式(S&P500) - "三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド"
信託報酬:年0.275% - 三菱UFJ DC海外株式インデックスファンド
信託報酬:年0.231% - "野村世界ESG株式インデックスファンド(確定拠出年金向け)"
信託報酬:年0.264% 先進国株式(日本含む)
注:特に投資先を記載していない物は、『先進国株式(日本除く)』の株価指数に投資する、投資信託です。
選ぶ基準は手数料と投資先
数社のHPを巡っただけなので、これ以外にも良い投資信託が有るかもしれません。そこで、私の選別方法を書いておきましょう。
手数料(信託報酬)が年0.2%以下
投資先が同じなら、手数料が少しでも安い投資信託を選ぶのが大切です。
上の一覧でも、同じ先進国の株式に投資しているにもかかわらず、信託報酬に違いが有りますよね。
年0.2%以下としたのは、企業型DCの制度を使わず、普通にインターネット証券で買える優良な投資信託が0.1%台だからです。
なお、年1%以上の手数料を取りやがる物も有りますので、注意して下さい。残念ながら、そういったぼったくり投資信託しか選べない企業もチラホラあるようです。
あなたの会社がそうでない事を祈ります。
投資先は米国か先進国
新興国に投資する投資信託も有りましたが全て除外しました。
企業型DCは遥か未来の為の投資です。株価が順調に上昇しても、一度の暴落で破綻しては意味がありません。
新興国株に興味が有るなら確定拠出年金ではなく、自分でネット証券に口座を作って、普通に投資することをお勧めします。
だめ!絶対!のアクティブ型
銘柄説明にはパッシブ型、インデックス型、アクティブ型等の用語が出てきますが、選んで良いのはパッシブ型・インデックス型だけです。
注:パッシブ型・インデックス型とも同じ意味
パッシブ型・インデックス型は日経平均やニューヨーク・ダウ等の株価指数と同じ値動きを目指す為、無理に大きな利益を狙う必要が無く、その分、手数料が割安になります。私が選んだ銘柄はすべてこれですね。
逆にアクティブ型は、銘柄を分析して売買を繰り返し、頑張って大きな利益を狙う運用をします。
とはいえ、頑張ったから儲けられるとは限りません。
結局、インデックス型と変わらない成績しか残せずに、手数料の分だけマイナスになってしまうのが一般的なんですよwww
奇跡的に短い期間だけなら、良い成績を残すことも有りますが、35年以上先を見越して投資をする確定拠出年金には必要ない銘柄です。
まとめ
「損したくないから」という理由で元本確保型を選んではいけません。それは、物価が上がれば現金の価値が下がるので、絶対に損しない資産ではないからです。
上に挙げた投資信託は、格安手数料で先進国の株式市場に投資する銘柄です。
世界の株価指数は上下を繰り返しながら、少しずつ上昇してきましたので、30年以上の投資期間を利用できる若手社員の皆さんは、このアドバンテージを大いに利用しましょう。
投資先の選び方
勤める会社の選択肢に、上に挙げた銘柄が無い場合は、以下の手順で投資先を選んで下さい。
- 投資タイプ:インデックス型又はパッシブ型である。
- 投資先:先進国、アメリカ又は全世界の株式のどれか。
- 信託報酬:0.2%以下が望ましいが、少しでも安い物を。
SNS情報によると、「ぼったくり投資信託しか選べない!」なんて、過激な情報も有るようですが、普通の企業なら、一つくらい普通の投資信託を選べるはずです。
取り敢えず、「アクティブ型を選んじゃだめ!」だけでも覚えておきましょう。
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