2024年から始まった新NISA。
1年目はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で埋めた方も多かったでしょう。
私もその一人です。
そして今年、2年目の2025年、「同じオルカンに投資を続けるべきか」「異なる銘柄を複数持ちするか」悩まれている方もおられるでしょう。
結論を先に書くと目的により異なります。
- 有効:お金の使い道ごとの分ける
:非課税枠を多く使いたい - 逆効果:分散投資でリスクを下げる
この記事では、投資信託の複数持ちのメリットと逆効果になっていしまう良くある勘違いについて解説していきます。
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複数持ちでも利回りは変わらない
まず大切なことですが、投資先が同じなら複数銘柄を持っても利回りは変わりません。
例えばeMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)と楽天・プラス・S&P500に100万円ずつ投資し、S&P500(円建て)が10%上昇すれば
- 100×110%=110万円
- 100×110%=110万円
合計:220万円
これをどちらか片方だけに投資して場合でも
200万円×110%=220万円
厳密には保有コストのわずかな差がでますが、優良銘柄と呼ばれているファンドなら誤差レベルですので差はありません。
複数持ちが有効になる使い方
では本題の複数持ちが有効になるケースにもどりましょう。
- 投資目的ごとに資産を管理できる
老後資金と子供一人一人ごとの教育資金を分けたい場合 - 新NISAの非課税枠を増やせる
❶:老後資金と教育資金の明確な区分け
新NISAの投資目的で多いのが老後資金と子供の教育資金でしょう。
老後に備えて60歳に3,000万円、教育費も長女は5年後に500万円、長男は8年後に500万円などのライフプランを立てたとしましょう。
これで1銘柄だけに投資していると老後資金は順調に増えているのか、子供2人の教育費は足りるのか、電卓をたたいて計算するのは面倒ですよね。
そこで目的別で投資銘柄を分ける選択肢が出てきます。
- 老後資金:楽天・プラス・S&P500(つみたて投資枠)
- 長女:eMAXIS Slim オルカン(成長投資枠)
- 長男:楽天・プラス・オルカン(成長投資枠)
このように3銘柄に分ければ、証券会社の口座管理画面にそれぞれの評価額が表示されますから、資産運用の進捗が明確になりますね。
同じ銘柄でもつみたて投資枠と成長投資枠で分ける
2銘柄までなら同じ投資信託を非課税枠で分ける方法もあります。
- 老後資金:つみたて投資枠
- 子供の教育費:成長投資枠
同じ銘柄でも別々に管理できるもっともシンプルな分け方ですが、3つ以上に分ける場合は対応できませんので万能ではありません。
それでも2つの目的に分けるだけであれば、有効な方法と言えるでしょう。
❷:新NISAの非課税枠を増やせる
1銘柄のみに投資するより資産の管理が面倒になりますが、複数銘柄を持つことで新NISAの非課税投資枠を有効に利用できる場合があります。
それは含み損状態の銘柄を売却し、復活した非課税投資枠を再利用するやり方です。
例えば以下の5銘柄で5年間の満額1,800万円を埋めきったとしましょう。
- 1年目:eMAXIS Slim オルカン
- 2年目:eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)
- 3年目:楽天・プラス・オルカン
- 4年目:楽天・プラス・S&P500
- 5年目:SBI・全世界株式(愛称:雪だるま)
株価は4年目までは順調に上昇し5年目だけが下落相場で、元本360万円の『雪だるま』が評価額300万円になっていたとしたとします。
このケースで5年目の年末に『雪だるま』を全売却すると、6年目に非課税枠360万円が復活します。
含み損分の非課税投資枠が解放される
復活した新NISAの非課税枠は360万円。
300万円で『雪だるま』を買い直すと残り60万円が余りますね。
ここに現金預金から投資するとどうなるでしょうか。
本来なら特定口座で投資するはずだった60万円が非課税枠で投資できています。
これが1銘柄のみに投資していたら、全体が合算されて含み益状態の為、この手法は使えません。
暴落時の恐怖が軽減される
銘柄を分散させるのには『含み損でパニック売りしなくなる』という副次的な効果も得られます。
通常は含み損は嫌なものですが、実質的に新NISAの利用枠を増やせるなら、精神的な負担も少なくなるでしょう。
長期投資において最大の敵はパニック売りです。
暴落時の恐怖を減らせるのもメリットと考えられるでしょう。
誤った複数銘柄の保有:分散投資にはならない
よくある誤解で全世界株式とS&P500を組み合わせれば投資先が分散されるという考えです。
実は分散どころか集中投資に近づいています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の交付目論見書(2024年7月)によると米国の割合は63.8%です。
これに100%米国のS&P500を組み合わせると、資産の81.9%が米国株式となり集中投資に近づいてしまいます。
つまり、オルカン一本で投資する方が、むしろ適切な分散投資といえます。
詳しくは「『オルカン+S&P500』2銘柄に投資は逆効果?リスク分散の落とし穴」で解説していますので、併せてご参照ください。
『投資信託の複数持ち』まとめ
- 教育資金や老後資金など、目的別の資産管理に有効
- 含み損銘柄の売却で非課税投資枠を増やせる可能性がある
- オルカンとS&P500の組み合わせは、むしろ米国株への集中投資なので注意
複数保有のメリットを知り、あなたの状況に合わせて賢く活用しましょう
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