円安を予想するなら、外貨預金の上位互換『外貨建てMMF』で。
ドル円相場が相変わらず150円手前をウロウロしていますね。
政府の為替介入、通称『日銀砲』が数度にわたって炸裂しているとはいえ、日米の金利差から、円安は避けられないようです。
140円を超えた辺りから、「外貨預金の申し込み殺到」なんて、ネットニュースが流れていましたが、皆さんはどう思われていますか?
私は個人的に外貨預金をおススメしません。
それは「円高に振れると損するから」等ではなく、単純に外貨MMFやFX口座を利用すれば、外貨預金より有利に外貨を保有する事が出来るからです。
円安相場で外貨預金を検討されている皆様方、この記事を読んでいただければ、無駄な手数料を払わないで済みます。
ぜひ最後までお付き合いください。
- この記事で分かる事
・外貨預金のデメリット。
・外貨建てMMFのどこが外貨預金よりも優れているのか。
・投資経験豊富な方ならFX口座もおススメ。
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外貨を保有するなら米ドル一択です。
昨今の円安相場で外貨預金に注目が集まっています。
私に未来の為替相場は予測できませんから、皆さんが今後の円安を予想して、外貨を持つ事に否定はしません。
しかし、どうせ投資するなら、少しでも有利に投資できる投資先を選んで貰いたいんですよ。
まず、通貨は米ドルです。一択です。
トルコやメキシコ、南アフリカの高金利に釣られないで下さい、手数料で簡単に金利分が吹っ飛びますよ。
では、巷で人気といわれる外貨預金と、あまり知名度が無い外貨建てMMF、ギャンブル性が高いといわれるFXで米ドルを保有する場合を比較してみましょう。
外貨普通預金 (某地方銀行) |
外貨MMF (auカブコム証券) |
FX (松井証券FX) |
|
---|---|---|---|
為替手数料 ※1 |
2円 | 40銭 | 0.4銭 (変動アリ) |
年利回り(約) 変動アリ |
0.1% | 2.6% | 2.8% |
利息 の税金 |
利子所得 20% |
利子所得 20% |
申告分離課税 20% |
為替差益 の税金 |
総合課税 5%~45% |
申告分離課税 20% |
申告分離課税 20% |
確定申告 | 必要 | 不要 | 必要 |
最低 買付け額 |
1000ドル | 1万円 | 1ドル |
元本割れ (外貨建て) |
なし | 過去に数度 ※2 |
なし |
銀行・証券会社が 倒産したら |
保証なし | 保証あり | 保証あり |
令和4年11月2日現在
※1:1米ドル毎(買付時・売却時の合計額)
※2:記事の中ほどに、元本割れを起こしたMMFのニュース記事を貼ってあります。
税金は状況により優劣が逆転しますし、最低買い付け額が高いのも致命的な欠点とは言い切れませんが。
以下の3点は外貨預金が圧倒的に劣っています。
- 為替手数料
- 利回り
- 資産の安全性
外貨預金は米ドルの保有には向かない。
外貨預金はとにかく手数料が高く利回りが低い金融商品です。
表に記載したのは、ブログ主が住む地域の地方銀行の外貨預金ですが、店舗を構える銀行なら、どこも似たようなものでしょう。
為替手数料はauカブコム証券で外貨建てMMFを買い付けた場合の5倍、松井証券のFX口座と比べ50倍です。
- 1万米ドルを売買した場合の為替手数料
・外貨預金:1万ドル×2円=2万円
・外貨MMF:1万ドル×40銭=4,000円
・FX口座 :1万ドル×0.4銭=400円
更に、それでも利回りが有利ならば検討の余地が有るのでしょうが、そこでも圧倒的に劣っています。
それに加えて、万が一銀行が破綻した場合は、ペイオフ対象外で、お金は返って来ません!
世間で外貨預金が人気と言われているのは、外貨預金が素晴らしい投資先なのではなく、「他の投資先に知名度が無いから」と断言できますね。
『外貨建てMMF』は超優良債券の集合体。
それでは、使えない外貨預金の代わりになる、外貨建てMMFとFX口座について見て行きましょう。
まず、外貨建てMMFは預金ではなく、債券に投資する投資信託の一種です。
預かった資金を、国債・地方債・超優良社債などの債券で保有するのですから、金利収入を得ることが出来ます。
そこから投資信託の手数料(信託報酬)を差し引いても、外貨預金より多くの利息(分配金)が受け取れるんですね。
しかも、投資信託だからと言って、元本変動もしません。1万ドルを買い付ければ、売却時に1万ドル+利回りが返って来ます。
元本割れが起きるとニュースになるほど安全。
ただ、債券投資をしている投資信託ですので、外貨建て元本が100%保証されるわけではありません。
リーマンショック時には元本割れが発生したMMFも存在しました。その際に経済ニュースになりましたので、引用を掲載します。
現金に準ずる安全な投資商品と言われるMMF(マネー・マーケット・ファンド)が元本割れする異例の事態が発生した。元本割れしたのは「リザーブ・プライマリー・マネー・マーケット・ファンド」という米国で最も歴史のある規模の大きいMMFの1つで、1口当たりの純資産価値が0.97ドルと基準価格の1ドルを割り込んだ。MMFは預金と異なりFDIC(米連邦預金保険公社)の保護対象ではないため、投資家を驚かせた。
リザーブ・プライマリー・ファンドが元本割れしたのは、破たんしたリーマン・ブラザーズの債券を組み入れていたためだ。(以下略)
このニュースの元本下落は3%でした。
注目して貰いたいのは記事タイトルの「異例の元本割れ」というワードです。
破綻ではなく3%の元本割れでニュースになるくらいの安全資産なんです。
更にこの元本割れが起きる事態は、超一流企業が倒産した場合くらいしか考えられません。
日本の小さな銀行と、世界に名だたる大企業を比べ、倒産リスクが高いのはどちらの方でしょうか?
しかも、銀行が倒産した場合は元本割れではなく、元本全てを失うことになるんです。安全性という面でも、超優良債券の詰め合わせである、外貨建てMMFの方が優れているんですよ。
おススメの証券会社はauカブコム証券
米ドルの外貨建てMMFにもいくつか種類が有りますが、年利回りは似たようなものですので、少しでも為替手数料が安い証券会社で買付けましょう。
※SBI証券は『住信SBIネット銀行経由で、米ドルを買い付けた後、証券口座に移動して、そこから外貨建てMMFを買う』という手段を用いれば、為替手数料を安く済ませる事が出来ますが、手間が掛かるのでおススメはしてません。
おススメは為替手数料(スプレッド)が20銭と安い、auカブコム証券と松井証券です。銀行で外貨預金を始めるつもりの方は是非、下のにリンクから口座開設して、外貨建てMMF投資を始めて下さい。
外貨建てMMFの為替手数料が安いauカブコム証券の公式サイト
100年の歴史を持つ老舗証券会社、松井証券の公式サイト
『FX口座』も外貨預金の代わりになる。
FXとは外国為替証拠金取引の略称です。
レバレッジを掛ける(自分の手持ち資金以上の取引をする)事で大きな利益を狙える半面、投資額を超える損失を被る可能性もあり、ハイリスクハイリターンな投資として知られていますね。
そのため「FXは危ない」というイメージを持たれている方が多いと思いますが、それは無謀な取引をした場合です。
投資額は自分で決められるのですから、手持ち資金の範囲内で投資をしていれば、手数料の安い外貨預金として利用できるんですよ。
FX口座で米ドルを保有した場合の為替手数料は外貨建てMMFより更に割安で、もはや誤差の範囲です。
受取れる金利(スワップポイントと呼ばれます)が高いのはFX業者間で、し烈な競争が繰り広げられているからです。
顧客を囲い込むために、少しでも良い金利を設定するので、見えない所で手数料を抜いている外貨預金の利回りとは比べ物になりません。
投資初心者にはおススメしたくない。
外貨預金の代わりにFX口座での米ドル保有を勧めるブロガーさんは多いですが、私はあまりお勧めしません。
それは、FXで利益が出てしまうと、レバレッジを掛けたくなってしまうからです。
投資初心者さんにとっては、初期の成功体験は強烈です。
最初は外貨預金の代わりとしてFX口座を使っていても、円安が進んで利益が出てくれば、「もう少し買い増しても大丈夫だよね」と欲が出てくるんですよ。
更に利益が出れば、有頂天になり「資金を追加してレバレッジをもっと掛ければ・・・」となってしまうのです。
15年前の私の様に・・・
最初は外貨預金の代わりでも、ハイリスク投資に足を踏み入れてしまう切っ掛けになってしまうFX口座は、投資初心者さんは手を出さないのが賢明でしょう。
ただ、少しの利益くらいで理性を失わないベテラン投資家さんなら、有効に利用できると思います。
今後の円安を予想されるなら、資産の一部を手数料の安いFX口座で保有するのは合理的だと思いますよ。
FX口座を開くなら大きな証券会社で
FX口座を開くならば、小さなFX業者は避けるべきです。業者の倒産リスクが上がってしまうからです。
預けたお金はFX業者の資産とは分けて保管されているとはいえ、すぐに返金されるわけではありませんからね。
名前も聞いたことが無いFX業者は避けるべきでしょう。
理想は、普段の資産運用に利用していない、大きな証券会社です。
大きな証券会社なら倒産のリスクは少ないですし、普段使いの証券会社と分ける事で、FX口座に入金するお金を米ドル投資分のみに限定できます。
口座に大金が入っていると、つい投資額を増やしてしまいたくなりますから、口座間で資金移動する手間が、追加投資の誘惑を防ぐ防波堤になってくれるでしょう。
SBI証券や楽天証券は既に使われている方が多いでしょうから、
大手だけど知名度の低い事で有名な、松井証券の松井証券FX、外貨建てMMFでもおススメしたauカブコム証券、この辺りが選択肢に入ってくるでしょう。
外貨預金を銀行で始めると、無駄な手数料や低利回りで、大きなハンディを背負うこことになります。
低コストで外貨を保有したいのなら、FX口座を開設して、米ドルを保有して下さい。
まとめ:外貨預金より『外貨建てMMF』『FX』で米ドルを持ちましょう。
「円安で外貨に投資」と聞くと、真っ先に銀行の外貨預金が思い浮かびますが、絶対に利用してはいけません。
それは、利回りが低い上に、取られる手数料が高いからです。
- 1万米ドルを売買した場合の為替手数料
・外貨預金:1万×2円=2万円
・外貨MMF:1万×40銭=4,000円
・FX口座 :1万×0.4銭=400円
未来の為替相場を予測する事は困難です、今後も円安の流れが続けば、利益を上げられますし、円高に振れれば損失が出ます。確率は五分五分と言っていいでしょう。
しかし、確実に損失になるのが手数料です。
外貨に投資をして「利益を出したい」、「円安のリスクを抑えたい」と考えるなら、外貨預金より手数料が圧倒的に安い外貨建てMMFやFX口座を利用して下さい。
- 外貨建てMMF:投資経験の殆んど無い初心者さん向け。
- FX口座:投資経験があり、少しの利益で有頂天にならない方なら。
上がるか下がるか分からない為替相場を予想するより、確実に支払う手数料を減らす方が、利益を上げる近道です。
何度でも言います!外貨に投資をするのなら、銀行の外貨預金だけは絶対に避けましょう。
外貨建てMMFの為替手数料が安いauカブコム証券の公式サイト
FXで有頂天になった記事です。私の犠牲を無駄にしないで!↓↓↓
www.katsurao.info
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