「レバナスより3倍レバの方が良い」なんて思ってませんよね(笑)
この記事に来て下さった皆さんはレバレッジ投資に少なからず興味がある方でしょう、コロナショック後の急激な株価回復で「さすがにバブルだろ」と思いつつも「儲けられるならリスクを取ってでも勝負したい」と買付を検討されているのでしょうか?
それとも普通のインデックス投資だけでは面白くないから、「少しリスクを取ってみようかな」とお考えでしょうか?
私もとうとう松井証券で『レバナス(iFreeレバレッジNASDAQ100)』の積立(2,000円)を設定してしまいました。まあ完全に趣味ですがね・・・
( ̄▽ ̄)/オイ
さて、「どうせリスクの高い事やるなら、もう少し高いリスクを取ってもいいかな」と考えながら投資信託を探していたところ『NASDAQ100 3倍ブル』という投資信託を見つけてしまいました。
偉そうに言ってますが、普通に投資信託を検索すれば簡単に見つかりますよwww
今回の記事は3倍レバレッジについて調べたことを書いています、「どうせリスクを取るんならとことん取ってやろう」と投資を検討している方、「インデックス投資だけではつまらない」と思っている方、皆さんのお役に立てれば幸いです。
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『NASDAQ100 3倍ブル』と『レバナス』を比較
まず 『NASDAQ100 3倍ブル』とは日々の基準価格の値動きが『NASDAQ100』の3倍程度になることを目指して運用を行う投資信託です。(レバナスは2倍)
保有コストは松井証券の還元サービスを利用してもレバナス有利
『レバレッジ NASDAQ100』:信託報酬(実質) 年0.9900%
※信託報酬還元サービス 年0.135%
『NASDAQ100 3倍ブル』:信託報酬(実質) 年1.5238%
※信託報酬還元サービス 年0.300%
参考:レバレッジ無し『I Free NEXT NASDAQ100』:信託報酬 年0.495%
『レバレッジ NASDAQ100』(レバナス)の方も信託報酬が約1%と決して安いわけではありませんが、3倍の方がそれに輪をかけて圧倒的に高コストです。
松井証券 の信託報酬一部還元サービスを利用すれば若干安くなりますが、それでもレバナスより高コストであることに変わりありません、いくら株価上昇時に大きな利益を上げられるからと言っても、コレだけ信託報酬が高い投資信託を保有したくありませんね。
※令和4年1月4日(火)より、「投信毎月現金還元サービス」がリニューアルされ、「投信毎月ポイント・現金還元サービス」に生まれ変わりました。
松井証券ポイントでの還元なら、従来の還元額より10%増量となります。もちろん従来の還元率のまま現金で受取ることも出来ますよ。
3倍レバは積立設定ができない
レバナスは定期の積立設定が出来ますが『NASDAQ100 3倍ブル』は積立設定ができず、手動で積立てする必要が有ります(泣)
人間の判断が入る余地を無くす事が自動積立のメリットですから、手動での積立では株価に一喜一憂して淡々と積み増すことが出来ません。
レバレッジの効いた投資信託に投資するなら、積立設定できるレバナスの方が圧倒的におススメです。
好調時は大きな利益を上げられるが
上のチャートは比較的株価が好調な、ここ数か月を切り取ったものですが、レバレッジの利点を余すことなく発揮してくれていますね、こういうチャートを見るとレバナスじゃ物足りないから3倍レバに投資したいと思ってしまいがちですが、皆さん既にご存じの通り、大切なのは暴落時の値動きです
暴落時はナイアガラを避けられない
コロナショック付近(凡そ半年)のS&P500連動ETFの値動き(米国ヤフーファイナンスのチャート)
- 黄色線(VOO):S&P500
- 赤色線(SSO) :S&P500の2倍
- 青色線(SPXL):S&P500の3倍
チャートはNASDAQではなくS&P500に連動する米国ETFを使いました。
当然、NASDAQのチャートを掲載する方が良いのですが、『NASDAQ100 3倍ブル』が設定されたのがコロナショック後ということで、なんとかコロナショック時の値動きを載せるための苦肉の策です。
なお、同じNASDAQの米国ETFにTQQQがあるのですが、どうせなら日本でも簡単に購入できる米国ETFを使おうということで、敢えてS&P500の3倍に連動する米国ETFのSPXLを持ってきました。
見てもらいたいのはNASDAQの値動きではなく、3倍レバの投資信託がどんな値動きをするのかですからね。
チャートは予想通りというか、壮絶なナイアガラですwww
(´;ω;`)ウゥゥ
大暴落後の回復が遅い
それでも、「レバレッジ投資信託を買うんだから暴落の覚悟はできてるよwww」という方も居られるでしょうが、レバレッジ投資信託のデメリットとして暴落時のナイアガラよりも厄介なのが回復局面での戻りが遅い事です。
通常の3倍の速度で下落したんなら、上昇時も3倍の速度で戻しそうな気がしますが、チャートを見る限りレバ無しのVOOは暴落前の価格付近まで戻しているのに対し、SPXLは低空飛行を続けています。
3倍の速度で上昇すると言っても、その元になる元本が減ってしまっているわけですから、高値圏からの暴落速度に比べ安値圏からの上昇速度が遅くなってしまうんですよね。
『NASDAQ100 3倍ブル』が1000円未満になったらそこで終わり!
レバナスを保有している場合は「暴落しても、上昇速度が遅くてもいつか上がるでしょ?」と鬼ホールドを決め込むのも悪くありませんが『NASDAQ100 3倍ブル』の場合は注意が必要です。
目論見書に書かれている以下の注意事項を読んでみて下さい。
◉基準価額が5営業日連続して1,000円未満となった場合、最長3カ月程度運用を継続した後、わが国の短期金融商品等による安定運用に切り替えを行ないます。
引用:『NASDAQ100 3倍ブル』交付目論見書
つまり、大暴落が起きて基準価格が1,000円未満になった後、勝手に安全運用投資(信託報酬0.088%)に変えられてしまう可能性があるということです。
Σ(・□・;)マジデ
それならいっその事、「運用をやめて全額払い戻してくれよ!」ですよねwww
鬼ホールドを決め込む予定の人も2倍レバレッジのレバナスの方がまだマシじゃないでしょうか?
積立はレバナスのみ、3倍レバはSPXLを買付けましょう
以上の理由で私は『宝くじ枠』としてのレバナス積立投資は大いに賛成しますが、『NASDAQ100 3倍ブル』への手動積立投資はおススメしません。
それでも3倍レバレッジで大儲けを狙ってみたいと考えるならば、米国ETFを短期投資のギャンブル枠で利用するのはどうでしょう。
『SPXL』は日本の証券会社でも買える
比較チャートでも使ったSPXLはS&P500に3倍レバレッジを掛けたETFですので、値動きは『NASDAQ100 3倍ブル』に匹敵し、さらに投資信託と異なる以下のようなメリットもあります。
- リアルタイムの株価で売買できる。
- 指値注文が出来る。
- 逆指値注文であらかじめ損切り設定ができる。
投資信託と違い取引時に手数料が掛かりますが、上のメリットと天秤に掛けると許容範囲内でしょう。
米国ETFを購入できる証券会社はいくつかありますが、私のおススメする2つの証券会社を紹介しておきます。
売買手数料が無料の『DMM株』
正直、DMM 株は以下のようなデメリットが目立つ証券会社なので、利用している人は少ないんですよね。
- 国内株式:売買手数料の無料枠が無い
- 米国株式:分配金(配当金)に対する為替手数料が割高。
- 米国株式:売却時、強制的に円に両替されてしまう。
しかし、米国ETFを短期で数回程度の取引する場合の証券会社としてはかなり良い証券会社です。
まず両替手数料が1ドル辺り片道25銭と同業他社と同水準であるにもかかわらず、売買手数料が無料という大きなメリットが有ります。
さらに、分配金に対する為替手数料が高いデメリットも短期売買ならば無視できるでしょう。
売却時に円に両替されてしまうので、頻繁に売買する場合はデメリットですが、一度限りのギャンブル投資のみなら両替の手間が省けるメリットとも言えます。
DMM株は全体的に他の証券会社に劣っている部分が目立ちますが、余剰資金で『SPXL』の短期売買を行うには最良の証券会社の一つといえるでしょう。
高額取引するなら『SBI証券』
ネット証券最大手の『SBI証券』でもSPXLの買い付けが可能です。
住信SBIネット銀行の外貨普通預金を利用することで為替手数料を片道4銭まで抑える事が出来ます、DMM株をはじめ多くの証券会社が25銭なのと比べると大きなメリットですね。
更にSPXLを売却した資金を米ドルのまま口座に残すことが出来るので、何度も売買する場合は為替手数料を節約する事が出来ます。
しかし、DMM株と異なり売買手数料が掛かってしまうデメリットがあります。
SBI証券の米国株売買手数料
・約定代金の0.45%(税込0.495%)
※上限手数料20ドル(税込22ドル)
最低手数料0ドル
0.495%の手数料は大きな負担ですが上限手数料が定められているので、高額の取引を行うほど負担は軽減されます。
一般市民はDMM株、大富豪ならSBI証券で(笑)
「結局、DMM株とSBI証券のどっちがお得なの?」という事で、取引コストをグラフにしてみました。
3,000ドルの取引コスト(買付と売却の合計)
DMM株
売買手数料:無料
為替手数料:1㌦あたり25銭
3,000×0.25×2=1,500円
SBI証券
売買手数料:約定代金の0.495% 上限手数料22㌦ 1㌦=110円
3,000×0.495%×110円×2=3,267円
為替手数料:1㌦あたり4銭
3,000×0.04×2=240円
合計3,507円
15,000ドルの取引コスト(買付と売却の合計)
DMM株
売買手数料:無料
為替手数料:1㌦あたり25銭
15,000×0.25×2=7,500円
SBI証券
売買手数料:約定代金の0.495% 上限手数料22㌦ 1㌦=110円
22㌦×110円×2=4,840円
為替手数料:1㌦あたり4銭
15,000×0.04×2=1,200円
合計6,040円
取引額が少額なほどDMM株が有利ですが、取引額4,444ドル付近でSBI証券の上限手数料が適用され始めるので徐々に差が縮まり、12,000ドルの手前でSBI証券が逆転します。
ただ、12,000ドルはとてつもない大金です、ギャンブル枠に使うには現実的な額じゃありませんよねwww
SPXLを買い付けるとなると相当の値動きが予想されますから、あなたがアラブの石油王でもない限り、SPXLの短期投資をするならDMM株の手数料が有利になる額での取引をおススメします・・・(笑)
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まとめ:3倍レバレッジを使うなら『SPXL』で
レバナスに積立て投資をして含み益が出てくると、「3倍のレバレッジならもっと儲けられるのでは」と誘惑に駆られてしまいますよね。
しかし、だからといって『NASDAQ100 3倍ブル』に投資するのはおススメしません。『NASDAQ100 3倍ブル』は保有コストが非常に高いうえ、さらに自動積立の設定ができず、感情を捨てた買い付けが出来ないからです。
レバレッジを掛けての投資はレバナスだけで十分だと思いますが、どうしても3倍レバレッジを使って利益を狙いたいのならば、米国ETFのSPXLに投資をしましょう。
SPXLはS&P500の3倍の値動きを目指すETFなので『NASDAQ100 3倍ブル』に匹敵する値動きが期待できます。
投資信託と違い指値注文や逆指値注文が出来ますから、万が一の損失も致命傷で抑える事が出来るでしょう。
もちろんギャンブル枠ですから投入するのは余剰資金のみにして下さいねwww
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